3.『星と祭』― 湖北・渡岸寺十一面観音
晩年の代表作『星と祭』の舞台、琵琶湖北岸・湖北地方を巡る。喪失と祈りを包み込む土地の空気が伝わる。
井上靖が晩年に執筆した名作『星と祭』。愛娘を水難事故で亡くした主人公が、滋賀県・湖北の地に点在する十一面観音を巡り、深い喪失感の中から再生へと向かう物語です。本動画では、作中の舞台となった琵琶湖北岸の静謐な情景を辿ります。日本一の美しさと称えられ、戦火から村人たちの手によって守り抜かれた国宝「渡岸寺(向源寺)十一面観音」をはじめ、湖北に息づく観音信仰の聖地を訪ねます。また、井上靖がこの地をこよなく愛した縁で設立された、高月図書館内の「井上靖記念室」も紹介。執筆当時の息吹を感じさせる資料とともに、なぜ文豪がこの湖北の地に魂の救いを見出したのかを紐解きます。